預言者がやってきた

Facebookが2017年2月23日付けでProphetというRとPythonのライブラリを公開しました。
私はこれからこのProphetについて解説、紹介する記事を書いていきます。

Facebook公式サイト
https://research.fb.com/prophet-forecasting-at-scale/

私は初めてこのProphetの内容を確認しながら、すぐに分かりました。

「これはキャッチーに言うなら、職人芸的だった時系列分析業界にFacebookのAIが殴りこみをかけてきた、ってとこやな」

Prophetはツールではありますが、考え方が時系列分析に新たな風を入れるもので(それはつまり一言で言うとベイジアンなのですが)、私はそれはデータ分析業界そして人類社会にとって価値のある革新になると思います。

Prophetは過去データを用いて未来を予測するツールです。
未来の予測はデータ分析の中で最も需要の大きな分野であり、数多くの技術が開発され、そして運用されています。
代表的な手法はARIMAで、経験豊富な分析者が場合によっては非常に高価な分析ツールを用いて複雑怪奇なパラメータを職人芸的に当てはめていくことにより、ある程度の精度で未来を予測することを可能にしています。

私はこのARIMAに大きな不満がありました。
不満はいくつかありますが、一番の不満はARIMAのモデル同定が経験と勘に頼らざるをえないことです。
データ分析のスローガンが『職人がKKD(経験・勘・度胸)で行っている仕事を科学の力で合理的に達成する』であったはずなのに、分析者本人がその職人になってしまう!
このためユーザは得られた予測を応用するどころか理解することもできず、データ分析者は
「分析はオレに任せろ。結果の正しさはオレを信じろ。」
と言うしかないのです。

Prophetを開発する際にFacebook Core Data Science Teamが持っていた課題感も同じようなものだったようです。
Prophetが目指すところを要約すると

  1. ドメイン知識を持つが分析のエキスパートではない多くの人間が時系列分析の訓練を受けなくとも予測できること
  2. 多くの種類の特色のある予測問題に適用できること
  3. 実施した予測を比較し、成績の悪い予測は容易に検知できること

になります。

私はこのProphetの高い目標に敬意を表するとともに、この取り組みに少しでも貢献したいと考え、これから解説記事を書いていきます。

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